書籍概要
『やさしいデータベース設計 要件定義から運用までの勘どころ』(衛藤 豊 著 / インプレス刊)
企業の重要資産であるデータを守り、活用し続けるためには、確かな設計力が欠かせません。本書は、データベース(DB)設計の経験が浅い方、DB設計経験はあるが悩みが多く自信の無い方、あるいは新たにデータ管理を任されることになった新任の方などに向けた、実務で使えるDB設計の入門書です。
業務理解を起点としたモデル化の考え方を軸に、要件整理から設計、実装、運用まで、DB設計に必要な全工程を体系的に整理しました。さらに、現場で頻出するテーブル設計・カラム設計の悩みにも丁寧に触れ、「良いDB設計」を実現するための具体的な判断基準と手順をわかりやすく示します。
本書の特長
✅ 全工程を網羅
要件定義から、概念・論理・物理設計、さらにインデックスや運用管理までを一気通貫に解説。DB設計の全体像と各フォーズの勘どころを1冊でつかめます。
✅ 「モデル作成の7ステップ」で迷わない
本書の核となる「TM(Theory of Models)」の考え方に基づき、実際の業務内容から整合性のとれたテーブル構造を導き出す具体的な手順を提示。業務を「イベント」と「リソース」に分けて捉えるモデル化の考え方は、初心者でも迷わずに設計を進められる強力な武器となります。
✅ 実務のノウハウが満載
カラム設計や命名規約、DBA体制など、現場で直面する悩みを解決する勘どころが満載。教科書では触れない「現場のリアル」に踏み込んだ実践的な内容です。
✅ 「変化に強い」設計
高品質、拡張性、高パフォーマンスを両立し、事業の環境変化にも長期運用に耐えるDBの基本が身につきます。第11章では、事業の環境変化に強いDB設計の考え方を詳しく解説しています。
本書の構成
基礎編
- 第1章 DB設計とは?
DB設計の全体像と各フォーズの位置づけを理解する - 第2〜4章 DB論理設計(モデル作成)
業務を「イベント」と「リソース」で捉え、モデル作成の準備→関係を描く→仕上げまでを体系的に解説 - 第5〜6章 DB論理設計(テーブル・カラム設計)
テーブル定義・カラム定義の具体的な判断基準と命名規約
実装・運用編
- 第7章 DB物理設計
スキーマ設計・インデックス設計の実践 - 第8章 DB運用設計
構成管理・キャパシティ管理のポイント - 第9章 DB運用ツール
運用を効率化するツール群の活用 - 第10章 DB基盤アーキテクチャ設計
隠れたDBのリスクと連携方式の設計 - 第11章 事業の環境変化に強いDB設計
長期的な視点でのデータ基盤設計手法
+ Appendix1:練習問題 / Appendix2:補足情報(モデル記法/作成ルールまとめ、SQLサンプルなど)
出版記念講演レポート
2026年2月11日、大阪にて出版記念講演を開催しました。講演では、本書の執筆背景や「TM(Theory of Models)」に基づくモデリング手法を紹介。さらに、モデル分析の実践事例として「コンテナ革命」を題材に、ビジネスの構造変化をモデルで読み解くデモンストレーションを行いました。
モデル分析事例:コンテナ革命
マルク・レビンソン著『コンテナ物語 — 世界経済の流れを変えた箱の物語』を題材に、物流業界の構造変化を「イベント」と「リソース」のモデルで分析しました。
BEFORE(〜1950年代:バラ積み物流)
リソース:港(都市中心部の埠頭)、沖仲仕(熟練労働者)、形状不統一の貨物、小型クレーン
イベント:人力の荷降ろし・荷積み、多数回の積み替え、目視検品、破損・盗難の発生
構造の特徴:人に依存、属人的作業、時間が読めない、破損・盗難が前提
AFTER(1960年代〜:コンテナ化)
リソース:標準化コンテナ(20ft/40ft)、コンテナ専用船、大型ガントリークレーン、コンテナ管理システム
イベント:出発地での封印、一括積載、未開封搬送、短時間荷役
構造の特徴:構造に依存、標準化・再現可能、時間予測可能、港は通過点へ
このように、事業の構造変化を「リソース」と「イベント」の関係で捉えることで、変化にも対応できる柔軟なDB設計が可能となります。本書第11章で詳しく解説しています。
著者について
衛藤 豊(えとう ゆたか) @yet103
データベースアーキテクト。長年にわたりデータベース設計・運用の実務に携わる。TMの概念を基軸として多数のプロジェクトでDB設計をリード。コミュニティ活動を通じてDB設計の体系化に取り組み、その知見を本書にまとめた。
対象読者
- DB設計の経験が浅い若手エンジニア
- DB設計に自信がない中堅エンジニア
- データ管理を新たに任された担当者
- 体系的にDB設計を学び直したいベテランエンジニア
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高品質/高パフォーマンス/高拡張性を備えたDBを設計し、ビジネスを力強く支える、そのための”DB設計の基本”を、本書で身につけましょう!